2010年4月11日日曜日

リング・ワンダリング

方向感覚を失い、無意識の内に円を描くように同じ場所をぐるぐると彷徨い歩いてしまうこと。


迷ったらどうするかは人それぞれだろうけれど、私は立ち止まらないことにしている。出来ないから、わからないからと言って立ち止まっても答は出ない。


時には、立ち止まって見つめ直すことも、休息することも必要かもしれない。でも、まだ早い。


近道じゃなくていい。進むべき道が見つからないなら、いまはそれを見つけるために歩こう。回り道は、きっと無駄じゃないから。

※山や荒野で現実にリングワンダリングに陥ったら無駄に歩きまわるのは間違っています。一応念のため。

2010年4月9日金曜日

PENTAX Kマウント用お手軽AF-BORGの作り方

撮影フィールドでお会いした方から「AF-BORGを試してみたいけど、改造が必要だし難しそうで…」という事をよく言われます。そんな時私はいつも「ちょっと手間はかかりますけど難しくはないですよー」と答えているのですが、私の狭い行動範囲でこれだけ聞くということは実際はこうした方は相当数いらっしゃるのではないかと思います。
AF-BORGを使用している方の多くがWebサイト上で情報を提供してくださっており、それらのサイトをきちんと見ていけばさして迷うこともなくAF-BORGを組み上げることは難しくないです。
ですが、情報が分散しているためあれこれと迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?(かくいう私も、少しだけ迷った部分がありました)

今回ご紹介する作業はこの辺に集中しています。

入門者向けに、そうした情報をまとめて整理しておけばこれからAF-BORGを始めてみたいという方の助けになるのではないかと考えました。と、いうわけでAF-BORGの簡単な作り方レシピをご紹介させていただきます。

なお、ここで紹介する方法はPENTAXのボディとペンタックスF AFアダプター1.7Xを使用して簡単にAFを手に入れようという趣旨のものです。
他のメーカーのカメラでAF-BORGを使用する場合、販売が終了してしまっているAFテレコンをオークション等で入手し改造する(ニコン)、AFレンズを分解して改造する(キヤノン他)といったやや難易度の高い工程が必要になってきます。これらについては初心者向きでないという判断からここでは触れないことにします。

さて、まずはAF-BORGを作成するうえで最低限必要なものからご紹介していきます。

●材料・パーツ※1
  • PENTAX KマウントのAFレンズが使えるボディ
  • PENTAX F AFアダプター1.7X
  • Kenko ACクローズアップレンズ※2
  • デジボーグ 望遠レンズセット※3
●工具
  • ヤスリ(細かな削りの出来るものが好ましい。300番程度の紙やすりでも可)
※1:AF-BORGと一口に言ってもパーツの構成によってさまざまあります。ここにご紹介したものは、その中でも最小限のパーツで構成するものです。
※2:ディフューザー代わりに使用し、焦点距離を短縮してAFアダプターが動作するレベルまでF値を下げます。今回はフィルター径52mmのNo.3を選択しました。
※3:こちらもminiBORGから125SDまでさまざまな選択があり、使用するセットによってパーツ構成が変化します。今回は77EDIIを選択しました。


最低限必要なものは以上です。では早速ですが加工手順。

   ①マウントの電気接点部分の塗装を一部削る。
   ②パーツを組み立てる。
   ③カメラ側の設定メニューから絞りリングの使用をONにする。


以上です。おしまい。…というわけにも行かないので、以下にそれぞれの工程ごとの注意点を示しておきます。



①電気接点部分の塗装の削り方

こちらは、様々な方が検証されて、全削り→1点ショート→2点ショートといった形で進化を遂げています。カメラ側はこの接点の情報からレンズのF値を認識しているため、削り方によってAEによる自動露出の正確さが変化します。


私は2点ショートで使用しています。かなり雑なので見せたくないのですが一応参考まで。

以下にわかりやすく紹介されているサイトを示します。

あぁ、これも運命。K-7+AF-BORG(77EDII)の適正露出化

★2010/9/29追記

匿名の方から、アルミパッチなどを貼って導通させたほうが簡単だというコメントをいただきました。この方法は削り以前に私も試したのですが、撮影地でAFアダプターを外した際にパッチが剥がれてしまい撮影不能に陥るという事故が発生したので削りの方法をご紹介していました。

簡単に綺麗に仕上がるという意味ではこちらの貼りつけ式の方が優れていますので、接着方法を工夫したりAFアダプターの着脱を行わないようにするなどの対策をすればむしろこちらの方が良いかもしれません。

要するに接点が導通しさえすれば方法は何でもOKです。極論、特定の構成専用にAFアダプターの接点を半田で潰してしまうといった乱暴な方法だってありなのです。
②パーツの組み立て方

こちらは正しく組み立てるだけです。77EDIIの場合、基本構成から最小限の変更で組み立てると以下のような組み方になります。
  • 77EDII対物レンズ [2178]
  • 80φL205鏡筒 [7800]
  • ドロチューブホルダー[7749]
  • ヘリコイドM [7835]
  • Kenko ACクローズアップレンズ No.3/52mm
  • 2インチホルダーS [7508]
  • カメラマウントホルダーM [7000]
  • ペンタックスK用カメラマウント [5002] (①で加工済の物)
  • PENTAX F AFアダプター1.7X
前玉から順にこのような並びになります。この内、対物レンズからヘリコイドMまでは、デジボーグ77EDII望遠レンズセットの構成をそのまま使用しています。

そこから後ろの部分は以下の写真のように組み立ててヘリコイドMにねじ込む形になります。

 おそらく最もシンプルなBORG用AFユニット。接点削ってクローズアップレンズを付けただけです。

こちらも、わかりやすく紹介されているサイトを示しておきます。

あぁ、これも運命。AF-BORG


③カメラ側の設定の仕方

カメラ側の設定メニューから絞りリングの使用をONにするだけです。

K-xの場合こんな感じで設定します。
これは工程というほどではないのですが、これを設定しないとAFが効かないうえ、簡単すぎるために参考サイトでも記述がなかったり、簡単に触れているのみのため見落として悩む方が多いようです。


以上で必要な作業と設定はすべて終了です。ごちゃごちゃと書いてきましたが、実際はたった3ステップでAF-BORGが完成します。後は完成したAF-BORGをカメラに取り付けて撮影してみましょう。
また、完成した後も、パーツを組み替えて色々とカスタマイズが可能なのがBORGの楽しみのひとつです。
ご自分にぴったりと合ったAF-BORGの形を摸索してみてはいかがでしょうか?

2010年4月6日火曜日

AF-BORG構成変更

野鳥撮影用に使っているAF-BORGですが、これまではBORGのAF化初挑戦ということで77EDII 望遠レンズセットををほぼそのまま使用した最も簡単な構成で組んでいたのですが、今回ある事情でレンズの全長を切り詰める必要に迫られ、構成を見直すことにしました。

ヘリコイドM(7835)を取り外し、M68.8→M57AD(7507)に変更。合焦範囲の調整のためにヘリコイドMの後ろについていた 2インチホルダーSS(7506+ケンコーACクローズアップレンズN0.32インチホルダーL(7509)を追加してM68.8→M57ADの前(=ドローチューブの中)に持ってくる構成に変更しました。

新しくなったBORG用AFユニット

さらに、かねてからの懸案だった被写体をファインダーに捉えるまでの速度の向上を狙って、鏡筒バンド(5501)と照準器を追加しました。更に鏡筒バンドのネジ部分がいまいち作りが悪かったので、簡単な加工を加えてネジを付け替えてあります。

かなり短くシンプルになった新生AF-BORG

このような構成変更を行って完成したAF-BORGの全体図がこちらです。

照準器を加えて更に兵器然としてきたAF-BORG77EDIIの勇姿


これを使った撮影テストの模様は後ほど公開します。